現場リポート:ホスピス開設5年 心が満たされた笑顔--公立八鹿病院 /兵庫

現場リポート:ホスピス開設5年 心が満たされた笑顔--公立八鹿病院 /兵庫

◇「生きる所」と理解進む
 有効な治療法がなく、余命が限られたがん患者を受け入れる緩和ケア病棟(ホスピス)が公立八鹿病院(養父市八鹿町、宮野陽介院長)に開設されて5年を迎えた。【竹花義憲】

 昨年9月から入退院を3回繰り返している女性は、病室やロビーで家族やスタッフと談笑して一日を過ごす。顔色は良く、元気に話す姿に「面会に来てくれた知人から『拍子抜け』と言われます」と笑う。

 苦痛を取り除き、充実した最期を過ごせるよう支援するこのホスピスは、病棟最上階の11階にある。ピアノがあるホール、好きな料理を家族が作るための台所などを備え、岩佐加奈子・看護師長ら14人が24時間体制で見守る。

 「セコガニの内子はおいしいですね。トマト、みかん、イチゴなども大好きです。頼れる医師や家族がいてくれて安心しています」。心が満たされているような笑顔で話してくれた。

 5年間の利用者は450人。「ここは人生の最後を“生きる所”です」と宮野院長は強調する。

 開設当初は“死ぬ場所”と受け止められがちだったが、5年を経て“生きる所”との理解が進み、「若い世代の人ほど自ら選んで来ます。家族の考え方も変わり、抵抗感なしに入所されます」という。多くの患者が求める「家族や周囲に迷惑をかけたくない」「苦痛なく死にたい」という希望が満たされ、「気持ちが楽になって落ち着いた表情になる」とも。

 病棟で花嫁姿の孫娘と記念撮影した患者は「思い出ができた」と喜んだという。「ここで過ごせて良かったと思ってもらえるよう、勉強を続け全力投球で頑張りたい」と宮野院長は決意を話した。

 患者らの話し相手になったり、庭の手入れ、行事を手伝うボランテアを募集している。問い合わせは同病棟(079・662・5555)へ。

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