子宮頸がん予防ワクチン、公費負担の英国

子宮頸がん予防ワクチン、公費負担の英国

若い女性の間で増えている子宮頸(けい)がん。原因となっているウイルスが明らかになっているため、ワクチンの接種で予防することができるが、日本でワクチンが発売されたのは去年末で、費用も自己負担となっている。一方、イギリスではすでに国の負担でワクチンの接種が行われている。イギリスはなぜ、公費負担に踏み切ったのか、大脇三千代記者が取材した。

 子宮頸がんは、そのほとんどがHPV(ヒト・パピローマ・ウイルス)に感染して起こり、主に性交渉の際に感染する。そのため、性交渉を経験する前にワクチンを接種すると効果が高いとされ、イギリスでは12~18歳の少女に2年間、集中的に接種させる計画が進んでいる。

 イギリスで使われているワクチンは、去年、日本で初めて承認されたものと同じものだ。ただ、日本では自己負担で約5万円の費用がかかるが、イギリスでは国が全額負担していて、希望者は無料で接種することができる。また、地域の診療所や薬局でもワクチンを接種することができる。無料になるのは16~18歳で、学校を離れて働いている少女を想定している。

 イギリスでは公費負担による接種率が8割以上となっている。なぜ、国の制度として費用負担に踏み切れたのだろうか。イギリス保健省・ソールズベリ局長は「がんになった際の費用と比べ、ワクチン接種はコストも低いです。公費負担への反対意見はほとんどありませんでした。『がんを防ぐワクチンはいらない』というのは、かなり難しいことですから」と話す。対象年齢をカバーするのに必要なワクチンは毎年100万本だが、ワクチンの費用のほうが将来のがん治療の費用よりはるかに低いこと、ワクチンの安全性が高いことが判断の決め手だった。

 HPVは女性の約8割が一生に一度は感染するとされる、いわば身近なウイルスだ。イギリスでは将来のがんから命を守る取り組みが着実に進んでいる。

 一方、日本では今月から37の自治体が何らかの形で公費助成を始めるが、ほかの地域ではすべて自己負担でワクチンを接種しなければならない。医療関係者などは、地域格差をなくすためにも国の負担を求める署名活動を行っている。

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