がん治療前に卵巣凍結保存、再移植…順大承認

がん治療前に卵巣凍結保存、再移植…順大承認

 順天堂大学は16日、がんの放射線治療などの副作用で不妊になるのを防ぐため、事前に卵巣の一部を凍結保存しておき、治療後、体内に再移植する治療法を、学内の倫理委員会で承認したと発表した。

 独自の凍結保存法を開発し、米国の大学と再移植に成功した実績がある加藤レディスクリニック(東京都新宿区)との共同実施で、実現すれば国内初になる。

 対象となるのは、がんの放射線治療や化学療法などを受ける閉経前の女性患者。具体的には、卵巣のうち一つを摘出し、卵子を作り出す部位の組織を1センチ・メートル四方、厚さ1ミリ・メートルの切片にし、液体窒素で瞬間的に凍結させて保存する。

 がん治療終了後、残された卵巣に卵子を作る機能が失われていた場合に限って、切片を卵巣表面に縫いつける。同クリニックによると、切片は約2年間卵子を作り続けることができ、米国では2例実施し、いずれも月経が再開したという。

 卵子の凍結保存はすでに実施されているが、採取に時間がかかるうえ、妊娠は体外受精が前提となる。卵巣組織なら短時間で済み、がん治療への影響が少ない。同様の試みは慶応大学や聖マリアンナ医科大学などの倫理委員会も承認しているが、再移植に至った例はないという。

トラックバック&コメント

この記事のトラックバックURL:

まだトラックバック、コメントがありません。


「がん」のこと、本当に知ってますか? 好評の新刊本「がん治療を受ける前に知っておきたい55のこと」 »
« がん検診受診率、胃・肺は落ち込み婦人系微増