がん患者多発の申し立てに対しサムスン電子が情報開示へ、因果関係は否定

がん患者多発の申し立てに対しサムスン電子が情報開示へ、因果関係は否定

韓国Samsung Electronics(サムスン電子)社は、同社の半導体製造工場で働く従業員の間でがんが多発しているという申し立てに対し、責任を否定するコメントを出したほかは、沈黙を守っていた。

 だが、最近になってその姿勢を一転し、ソウル南部の器興(Giheung)区にあるウエハー製造工場を報道陣に向けて公開した。だがその目的は明らかに、マスコミ対策と不安感の沈静化のためと見られる。同社は、半導体製造に使用する薬品が白血病や悪性リンパ腫の原因となった可能性については、依然として否定している。

 Samsung Electronics社の工場で働く従業員の間で、がん患者が異常発生していたのは数年前のことだ。がんが原因で死に至った従業員もいる。アジアで活動する複数のロビー団体は、同社の責任を追及する「Samsung Accountability Campaign」という運動を始めた。この運動を展開するグループは同社に対し、責任を認め、健康被害を受けた従業員に賠償金を支払うよう要求していた。

 報道陣に工場を案内する中で、同社は「工場内に発がん性物質は一切ない」と主張しながらも、「今後も調査は続けていく」と語った。だが、Reuters(ロイター通信)社の報道によると、がんを発症した従業員が働いていた半導体製造ラインは、半導体チップのテスト・ラインとLED(発光ダイオード)の製造ラインに変わっていたという。

 米Associated Press社(AP通信)は、「Samsung Accountability Campaignを展開するグループによれば、過去10年の間に23名以上の従業員(訴訟継続中の6名を含む)ががんを発症し、少なくとも9名の死亡が確認されている」と報じている。

 ロイター通信は、「Samsung Electronics社のメモリー事業部門でプレジデントを務めるCho Soo-in氏は、従業員が亡くなったことに対する追悼のコメントを発表したが、疫学的調査の結果、放射線漏れなどのがん発症の要因は見つからなかったと主張した」と報じている。また記事は、Cho氏が「今後は労働環境の改善と情報の開示に努める」と語ったとも伝えている。

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