どうぶつナビ:ペットががんになりました。治療法は。

どうぶつナビ:ペットががんになりました。治療法は。

 ◆ペットががんになりました。治療法は。

 ◇人間同様、手術・放射線で
 ◇長寿化進み、増加の一途 初期ほど高い効果、経済的負担も軽く
 鹿児島・種子島に住む女性会社員(42)は耳を疑った。2月、かかりつけの動物病院の医師からペットの雑種犬(メス、8歳)のがん宣告を受けた。

 「まさか愛犬ががんになるとは思ってもいませんでした。すぐ死んでしまうのかと思い、主治医の前で泣いてしまいました」

 異変はあった。昨年11月ごろ、右前脚のひじ部分が少し膨らんでいるのに気づいた。その後も膨らみは消えず脚を引きずるようになった。主治医の組織検査でがんと分かった。

 切除手術をしたが、患部を取り切れず、再発予防のため放射線治療を受けることになった。3月下旬、フェリーで約4時間かけ、主治医が紹介した鹿児島市の「ペットがんセンター」を訪れた。入院し、週1回、約1分間の放射線照射を受け、3週間後に退院した。

 治療費や入院費など約17万円かかった。初期がんだったことが救いだったようだ。今は元気になり、女性は「70代の母との2人暮らしのわが家では家族同然。遠方まで行かずに命を救ってもらいありがたい」と話す。

 同センターは、犬や猫のがん治療を専門にしている。07年10月、民間の「九州動物先端医療研究所」の付属施設としてオープンした。九州で初めて人間用の最新放射線治療設備を導入。こうした高度な設備は数億円と高額なため、開業医などでは完備は難しく、設置を求める声が多かった。

 だが、センターを訪れるペットの大半は、全身に転移した末期がんや、手術や再発を繰り返しているという。同研究所の坂本紘所長は「なぜこんなに進行するまで気づかなかったのかと思うケースもある。初期なら放射線の治療効果も高く、照射回数も少ないので、飼い主の経済的負担も軽くて済む」と指摘する。また、来院するペットの多くが肥満気味だという。「肥満はがんと密接な関係をもつ危険因子の一つ。飼い主は適度な食事と運動を心がけて」

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 07年6月にオープンの民間施設「日本動物高度医療センター」(川崎市)は、消化器科や脳神経科、眼科など人間の総合病院並みの11科をもつ。かかるペットは開業医からの完全紹介制だ。

 がんの診察・治療をする腫瘍(しゅよう)科の市川美佳医長は「多い時は月100件以上の『患者』を診ることもあります」と言う。同センターを訪れるがんのペットは年々増え、全体の約30%を占めるという。

 手術や抗がん剤治療、放射線治療、免疫療法などをしているが、今夏からは微細ながんを見つける最新鋭のPET(陽電子放射断層撮影)装置を使った検査も始める予定だ。

 なぜ、ペットにがんが増えているのか。「予防医学が進みペットの寿命が延びたことが大きい」と市川医長は言う。喫煙者がいる家庭の猫が、リンパ腫になる確率が高い--というデータも報告され、飼育環境の影響も指摘され始めているという。市川医長は「1カ月間で体重が1割以上減ったり、長く続く鼻血、下痢などささいな異変の原因が実は腫瘍であることも多い」と指摘したうえで、「毎日触ったり、歯の手入れの際に口の中や歯肉を見て腫瘤(しゅりゅう)の有無を確認するなど日ごろから注意していれば早期発見につながる。健康な時からかかりつけ医に定期的に通い、体調管理に気を配ることが第一です」とアドバイスする。

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