子宮頸がんワクチン

子宮頸がんワクチン

子宮頸(けい)がん予防ワクチンの接種が、日本でも昨年末から始まった。しかし、高額な接種費用が普及の「壁」となっており、公費助成を求める動きが活発化している。
 ワクチンは既に100カ国以上で使用され、欧米など二十数カ国は公費や保険で費用をカバーしている。国は早急に公費助成の道を開き、普及に努めてもらいたい。
 子宮頸がんは、性交渉を通じたヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が主原因。ワクチンは特定の2種類のHPV感染を防ぎ、子宮頸がん全体の約7割を予防できるとされる。日本産科婦人科学会などの関連団体は「定期的な検診の受診とワクチン接種の『両輪』で、子宮頸がんはほぼ百パーセント防げる」として、予防効果が高いと見込まれる11~14歳の女児への接種を推奨している。
 県内でも現在、約90の医療機関でワクチン接種が受けられるなど少しずつ広がってきているが、半年間に3回の接種が必要で、全額自費で5万円前後かかる。「がんを予防できる」と分かっていても、負担の大きさに二の足を踏む人も少なくない。
 予防・早期発見はがん対策の根幹であり、その推進の責任は、第一義的に国にある。1月の参議院代表質問で、鳩山由紀夫首相は「ワクチン接種助成を積極的に検討し、できる限り早期に実現できるよう努力する」と答弁したが、まだ具体的な方向性は示せていない。
 がん予防のもう一つの柱である「検診」の受診率も極めて低い。本県の子宮がん検診の受診率は15・1%(2008年度)と、県と国が掲げる目標「50%以上」に遠く及ばない。ワクチン普及と併せ、国の啓発強化が望まれる。
 一方、一部の自治体では、先進的な取り組みも始まっている。
 新潟県魚沼市や兵庫県明石市、岡山県奈義町は独自に、対象者への全額助成を打ち出した。また栃木県大田原市は5月から、小学6年の女児対象に全額公費負担で、各小学校で集団接種を行う。個別に比べ、接種率が飛躍的に上がると予想され、見習うべき好事例といえるだろう。
 こうした取り組みはもちろん、評価に値する。しかしまだ数は少なく、対象年齢や助成額にもばらつきがある。このままでは、住む場所や経済状態によって「命の格差」が生まれかねない。
 学会や患者会、子宮頸がん経験者らは今月に入り、次々と国に公費助成制度創設を訴えている。本県議会も3月に意見書を可決。自民党議連はきょう、東京でシンポジウムを開く。20~30代女性でがんの死因の1位を占める子宮頸がん撲滅に向け、国の強い後押しを望みたい。

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