教諭死亡は「石綿労災」 体育館勤務で中皮腫、全国初認定へ

教諭死亡は「石綿労災」 体育館勤務で中皮腫、全国初認定へ

勤務先の学校でアスベスト(石綿)を吸って中皮腫になり、死亡したとして滋賀県東近江市の中学教諭古沢康雄さん=当時(56)=の遺族が求めていた公務災害請求が、認定される見通しとなった。支援団体によると、石綿被害による教諭の労災認定は全国初。学校で断熱材として広く使われていた石綿をどこで吸引し、発症につながったかを立証することは難しく、22日会見した支援団体は「公務災害の認定に前進的な影響を与える」と評価している。

 民間の労災に当たる公務災害を判断する地方公務員災害補償基金県支部が2007年に出した「公務外」との決定について、上部団体の同基金審査会(東京)が3月29日、取り消す裁決をした。関連法では審査会の裁決に基づき県支部が再処分することになっており認定が確実となった。

 裁決書によると、古沢さんは01年10月に悪性胸膜中皮腫と診断され02年4月に死亡した。1973年から76年まで同県甲西町(現湖南市)岩根小学校に勤務。天井に石綿が吹き付けられていた体育館で長く勤務し、石綿を吸い込んだため中皮腫を発症した。

 同校では、73年の校舎火災で、体育館を一時的に職員室として使い、古沢さんは宿直もしていた。体育教諭として長く体育館で勤務し、それ以外で中皮腫の原因とされる石綿と接点がなかった。

 遺族は、2005年に基金県支部に公務災害の認定を請求。支部は「石綿にさらされる業務に従事したとは認められない」と「公務外」と決定した。遺族は同支部審査会に不服申し立てをしたが、棄却。本部審査会に再び不服申し立てをしていた。

 同基金によると、教諭による同様の公務災害申請は計11件(3月末現在)あり、支部の段階で10件が棄却、1件が却下されている。

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