カルシウム摂取で乳がん予防

カルシウム摂取で乳がん予防

カルシウムには骨を強くするだけでなく、乳がんを抑制する効果もあることが、18日にワシントンで開かれた米癌研究会議(AACR)での報告で明らかになった。

 研究を行ったのはプエルトリコのポンス医科大学のマヌエル・バヨナ教授率いる研究チーム。744人の女性を調査したところ、カルシウム摂取によってがん発症リスクが40%、複合ビタミン剤摂取によって30%減少することが分かった。

 DNA(デオキシリボ核酸)の損傷はがんを引き起こすことが分かっているが、カルシウムの保護作用がDNA修復機能を向上させることが今回の研究で示された。研究者らは食生活の改善やサプリメントの長期摂取により、体内の細胞防御機能を高めることが可能と主張した。

 バヨラ氏は「心臓病予防のためコレステロール値を調べて食生活や薬を変えるのと同じように、血液検査を通してDNA修復機能を測定し、適切な栄養補助食品を摂取して乳がんを予防する方法が示された点が今回の研究の重要な成果」と話す。

 研究チームは乳がん患者278人と健康な対照群466人に対して、特定のビタミンやミネラルの摂取に関するアンケート調査を行った。また血液サンプル採取によりDNA修復機能を測定、複数の項目で両グループを比較した。

カルシウムのがん抑制効果は過去にも報告されていた。2007年にクレイトン大学医学部が行った調査では、カルシウムとビタミンDを摂取した女性のがん発症リスクが60%低いことが判明したが、そのメカニズムまでは説明されていなかった。

 一方で、ビタミンとがん抑制効果の関連は少し複雑だ。研究の共同執筆者でポンス大学のジェイミー・マッタ教授によれば、ビタミンは遊離基が原因で起きる細胞の損傷を防いだり修復する効果があるものの、ビタミンのがん抑制効果を否定する説も報告されている。

 バヨナ教授と研究チームは今後、理想的な1日当たりのビタミン摂取量を特定するため調査を継続する。同教授は「一般的に抗酸化物やビタミンを含む野菜、果物の摂取は不足しがち。カルシウムとビタミンの摂取が最も経済的な乳がん予防方法かもしれない」と述べた

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