診療時に口腔がん検診 県歯科医師会

診療時に口腔がん検診 県歯科医師会

県歯科医師会(箱崎守男会長)は今春から、県内614の医療機関で、虫歯など通常の診療に併せて口腔(こうくう)がん検診を始めた。13項目の共通のチェックシートを使い、口の中の潰瘍(かいよう)やしこりなどを診察する。国内で年間7千人が罹患(りかん)し、約3千人が死亡している口腔がんは、自覚症状が少なく発見が遅れがち。検診で早期発見を図るとともに岩手医大歯学部と連携し、治療・ケア体制を充実させる。

 盛岡市西見前の西郷歯科医院(西郷慶悦(けいえつ)院長)。定期的に通院する70代の男性は、通常の診療に併せて舌の側面やほおの粘膜などに異常がないか診察を受けた。男性は「よく来ているので何か異常があればすぐ分かるはず」と信頼を寄せる。

 検診は、県内ほぼすべてとなる同会員の614医療機関で実施。がんが疑われる場合は、岩手医大歯学部で精密検査や治療を行う。虫歯など普段の診療と一緒に検診を受ける場合、検診代はかからない。

 県歯科医師会常務理事を務める西郷院長は「発見が遅れれば仮に命が助かっても舌の切除など生活への影響が大きい」と早期発見の重要性を指摘する。

 口腔がんの男性10万人に対する死亡率は7・7人(咽頭(いんとう)がんを含む)。腎臓がんや白血病を上回る。

 初期段階で治療した場合の5年生存率は約90%だが、初期は自覚症状が少なく、約70%は症状が進行した段階で発見される。後期段階になると5年生存率は50%程度まで下がる。特に舌がんは、初期症状が口内炎と似ており、がんと気付きにくい。

 年間80~90人の口腔がん患者が訪れる岩手医大歯学部の杉山芳樹教授(口腔外科)は「歯科医が普段の診療の中で異常がないかチェックすることで早期発見、早期治療につながる」と期待する。

 口腔(こうくう)がん 舌がんや口腔底がん、歯肉がんなど口の中にできるがんの総称。男性患者が多く、県内では女性の約1・7倍。50代以上に多い。飲酒や喫煙、合わない入れ歯の使用などが原因とされる。治療で舌やあごを切除することがあるため、会話や食事などに障害が生じ、日常生活への影響も大きい。

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