肝臓がんと闘う少年が1日ヒーローに、シアトルの街を舞台に壮大な計画。

肝臓がんと闘う少年が1日ヒーローに、シアトルの街を舞台に壮大な計画。

米国に、肝臓がんで闘病中のある少年がいる。懸命にがんと向き合っているこの少年は、日頃から「スーパーヒーローになりたい」との夢を持っていたそう。そんな彼の夢を叶えるべく、米国のボランティア団体は彼の住むシアトルの街にさまざまな大きな“仕掛け”を用意。彼は1日だけ夢を実現させてスーパーヒーローになり、悪者に陥れられた人たちを助け出して行った。
シアトルに住む13歳のエリック・マーティンくんは肝臓がんに冒され、必死の闘病生活を続ける毎日。体調が良いときに通う学校生活も「よく疲れている」(米紙シアトル・タイムズより)と母親が語るほど、エリックくんの体力は落ちてしまっているそうだ。そうした現状もあってか、彼は常日頃から「スーパーヒーローになりたい」との夢を抱いていたという。病気と闘う少年が抱くひとつの願い。それを知ったボランティア団体のMake-A-Wishは、シアトルの街を舞台にした壮大な計画を進めた。

Make-A-Wishは1980年に米国で発足したボランティア団体。現在は欧米や日本など世界33か国に展開し、「3歳から18歳未満の難病と闘っている子どもたちの夢を叶え」(Make-A-Wishジャパン公式サイトより)、勇気づける活動を行っている。シアトル支部では毎年、こうした子どもたち300人以上の夢を実現。そのほとんどは「ディズニーワールドに行くか、有名人に会うこと」(米情報サイトシネマ・ブレンドより)というが、エリックくんは赤と青のコスチュームを身にまとい、「エレクトロン・ボーイ」というヒーローになることを選んだ。

計画が実行に移された4月29日、彼に与えられた使命は「シアトルを闇に落とそうとするドクター・ダークとブラックアウト・ボーイと戦うこと」。スパイダーマンから直々に助けを求められたエレクトロン・ボーイは、迎えに来た仲間とともにシアトルの街中へと向かった。雄姿の一部は、YouTubeに投稿された動画で見ることができる。

今回のミッションのひとつ、米メジャーリーグサッカーのシアトル・サウンダーズ本拠地クエスト・フィールドでは、悪者の2人が電子ロックを壊し、選手たちがロッカールームに閉じ込められる事件が発生。関係者らが助けを求め騒然としている中、デロリアンに乗って颯爽と現れたエレクトロン・ボーイは閉ざされたドアの前に立ち、ハンドパワーとばかりに2回ほどドアに手を向けた。

するとドアが開き、閉じ込められていた選手たちは一斉に外へ。大歓声が上がり、1人1人に「ありがとう」と感謝されるヒーローは、どこかポカンとした様子だ。しかし、次々に選手から手を差し出されると、自分の活躍を噛みしめるかのように力強く握手を繰り返している。その後、ピッチへと向かったエレクトロン・ボーイは、選手たちの真ん中に立つと、チームのユニフォームとサイン入りサッカーボールがプレゼントされた。

さらに悪者から送られてきた予告ビデオに従い、作業台の上で襲われた電気作業員を無事地上へと救出すると、250人以上の電力会社従業員がエレクトロン・ボーイに拍手喝采。シアトルの観光タワー「スペース・ニードル」では、止められたエレベーターに閉じ込められた乗客を救出し、悪者2人を捕まえて警察へ突き出した。今回の計画には警察も協力しており、ヒーローの護衛に「20人のオートバイ隊員」(米ニュースサイトハフィントン・ポストより)が付いたほか、通行する高速道路も閉鎖。この日だけは、シアトルの街がエリックくんの晴れ舞台へと変貌した。

大成功に終わったイベントに、エリックくんの姉も「彼は大喜びよ」(シアトル・タイムズ紙より)と嬉しさをともにした様子。母親は「彼らはそれが希望の力と言ったけど、本当だわ」と、企画したMake-A-Wishに感謝の気持ちを示し、夢を叶えたエリックくんも「人生最高の日だよ」と、辛い闘病生活の日々の中でも、大いに励みになる一日となったようだ。

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