肉腫治療や研究で連携組織 

肉腫治療や研究で連携組織 

標準的な治療法が確立されておらず、専門医も少ないことから”忘れられたがん”とも言われる肉腫(サルコーマ)。治療や研究を連携して進め、病院の紹介や情報交換にも取り組もうと、大阪府立成人病センター(大阪市)など15病院の医師、薬剤師と患者、家族の手で「キュアサルコーマセンター 」(事務局・大阪市中央区)が設立された。
 肉腫は上皮組織以外にできるがんで、筋肉や骨、消化管、血管など体のどこにでも発生する。キュアサルコーマセンター代表理事の高橋克仁・大阪府立成人病センター部長によると、推定の患者数はがん全体の2%程度で、年間の新規患者は約1万人。子どもでは年間約500人の患者が出ており、成人ではまれだが、子どもでは多いがんだという。
 成人では標準治療が確立されておらず、ほかの病院からの紹介で高橋部長の成人病センターの外来を訪れた264人のうち、約92%が転移と再発の患者だった。
 転移が多いのは肝臓や肺、骨、脳など。一般的にがんの専門医は臓器や部位別に得意分野を持つため、転移が見つかった患者は新たに病院を探さなければならないことも多いという。キュアサルコーマセンター設立に加わった患者グループの代表で、妻を肉腫で亡くした大西啓之さんは「『肉腫難民』が出ないようにしたい」と話す。
 15病院はほかに、亀田総合病院(千葉県)、国立がん研究センター中央病院、東京女子医大病院、新山手病院、関東中央病院、癌研有明病院、昭和大病院、東京ガンマユニットセンター(以上東京都)、渕野辺総合病院(神奈川県)、大阪大病院、八尾市立病院、大阪警察病院(以上大阪府)、京都大病院(京都府)、岡山大病院(岡山県)。地域や病院の枠を超えた共同治療システムを構築し、外科手術や抗がん剤、放射線治療などに当たる。適切な病院への紹介や情報交換も進め、患者や家族を支援する
成人病センターでは内科に「肉腫(サルコーマ)外来」があり、高橋部長や、キュアサルコーマセンター理事で薬剤師の山村倫子主任研究員が、再発患者の医療に力を入れてきた。
 高橋部長は「新たな治療法や早期診断法の開発も進めたい。患者が右往左往しないで済むように、将来は米国のように肉腫の専門センターをつくりたい」としている。
 キュアサルコーマセンターへの連絡は、電子メールでcuresarcoma-c@smtrc.orgへ。

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