学校集団接種が奏功 大田原市・子宮頸がんワクチン高い希望率

学校集団接種が奏功 大田原市・子宮頸がんワクチン高い希望率

大田原市は13日から、小学6年生女子を対象に、全額公費負担で子宮頸がん予防ワクチンの接種を始める。接種希望者は336人で、全対象者の98・53%と高率となった。個人が医療機関で予防接種を受ける個別接種が主流の中、通院の負担がない学校での集団接種を採用したことが奏功した格好だ。今後、健康被害を防ぐための診断の徹底などが課題となる。

 同ワクチンの集団接種は全国初の取り組み。市が採用した集団接種は、市内各校で児童が予防接種を受ける方式。保護者が子どもを医療機関に連れて行く負担がないため、高い希望率につながったと市はみている。

 子宮頸がん予防に詳しい、自治医大産科婦人科学講座の鈴木光明教授も「接種率を上げるには集団接種が有効」と話す。同ワクチンの公費負担を採用している諸外国でも、接種方法が普及を左右している。

 鈴木教授によると、集団接種を実施したオーストラリアニューサウスウェールズ州では、3回必要な接種のうち1回目の接種率は84%(2007年)。一方個別接種の米国ジョージア州では同25%(08年)にとどまった。

 国内では1994年の予防接種法改正以降、法定の定期接種は希望者が医療機関に出向いて受ける個別接種が原則となっている。

 厚生労働省によると、被接種者に予防接種の効果や副作用を説明し、健康状態を正確に把握するためには、病院で医師が一人一人と向き合って説明できる個別接種が有効だという。同ワクチンは法定の定期接種ではないが、同省は「任意接種も個別接種が望ましい」としている。

 市も当初、個別接種を採用する予定だったが、同省と集団接種を可能にする方法を相談。接種対象者や接種条件などを明記した要綱をまとめ、集団接種での実施を可能にした。

 4月の市のまとめで、対象者の希望率は98・53%。鈴木教授は「実際の接種率でなく、あくまで希望者の数」とした上で、「(接種率の高い先進国でも)1回目の接種率は80%台なので、9割を超えればすごい数字」と評価する。

 半面、医師が多くの児童に対応しなくてはいけない集団接種では、健康状態の確認などで個別接種より劣る面もあるという。

 同ワクチンは、予防接種の中でも副作用が少なく安全性が高いとされる。ただ、市が保護者に配布した資料によると、1~10%の確率で発疹や発熱が、頻度は不明だが失神の可能性もあるという。

 鈴木教授は「アレルギーや発熱など接種できない健康状態の児童を、医師と保健師できちんとチェックしなくてはいけない」と安全性確保の課題を指摘した。

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