ひと:桜井なおみさん がん経験者の就労問題に取り組む

ひと:桜井なおみさん がん経験者の就労問題に取り組む

がんの経験者が就職活動をするときに悩むのが履歴書の書き方だ。

 「応募の段階で病名を書く必要はない。ただし、通院などで配慮してほしいことがあれば、伝えた方がいい」。組織や企業が「がんの経験もキャリアの一部」とみなすのがベストだが、理解あるところは圧倒的に少ないのが実情。

 がん経験者の就労問題を考えるグループ「CSR(キャンサー・サバイバーズ・リクルーティング)プロジェクト」代表を務める。1日のメーデーに「がんと一緒に働こう!」(合同出版)を出した。法的知識や実際の対応へのアドバイスをまとめたハンドブックで、自身も含め「がんサバイバー」ら32人が執筆した。

 設計会社に勤めていた37歳の時、乳がんが判明した。ホルモン療法や手術の後遺症でやむなく退職。「同僚とのコミュニケーションを工夫すれば辞めることはなかった」との思いがある。「がんという病気がいかに理解されていないか」を痛感した。

 仕事は自分の存在証明。それを体現したのが患者会で知り合った毎日新聞の故・生長(いくなが)恵理(めぐり)記者だったという。肺がんの再発、転移で07年秋に45歳で旅立ったが、「最期まで仕事に情熱を注いでいた。その姿を見たことがプロジェクトにつながった」。

 CSRは「企業の社会的責任」と同じ略称だ。「私たちのCSRはがんとともに歩む人が希望を持てる社会を築くこと」。通じるものがある。【明珍美紀】

 【略歴】さくらい・なおみ。東京都出身。現在、がん経験者支援の企画会社「キャンサー・ソリューションズ」社長。会社員の夫と暮らす。43歳。

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