久留米市・新古賀病院の「がんサロン」 患者ら支える場好評

久留米市・新古賀病院の「がんサロン」 患者ら支える場好評

がん患者や家族同士が交流する「がんサロン」が昨年10月、久留米市天神町の新古賀病院に開設され、好評を得ている。同病院と系列病院で治療を受けている患者が対象で、毎月1度のペースで開催。サロンでは当事者同士が悩みや情報を共有でき、医療スタッフとも気軽に話せる雰囲気づくりがなされている。

 13日の昼下がり、同病院近くの新古賀クリニック。窓の外に久留米市街の景色が広がる8階の部屋では、がん患者とその家族計7人がテーブルを囲み、談笑していた。

 「その服、どこで買ったんですか」「夫婦でペアルックなんですよ」。患者たちは、たわいない雑談から自分の体調や治療の様子などを話した。

 この日のがんサロンでは、福岡市の空間デザイナー、めの恵子さんを講師に迎え、「癒やし」がテーマの講話もあった。めのさんも患者の輪に加わり、「明るい色の服を着ると、気分も明るくなりますよ」などとアドバイスしていた。

 サロンへの参加は無料で、コーヒーや菓子も用意される。同病院の社会福祉士、堤慶子さん(33)は「患者さんたちにカフェにいるような感覚になってもらい、気分転換してもらうのも目的の一つです」と話す。

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 同病院に入院するがん患者の多くは急性期。同病院には緩和ケア病棟などはないため、慢性期の患者には、自宅での療養やホスピスなどを紹介するのが一般的という。在宅療養を希望する患者もいるという。

 一方で、「自宅に帰ったものの、点滴などケアの仕方が分からないという患者や家族も多い」と堤さん。そこで、自宅療養の患者が、継続して医療スタッフと情報交換できる場をと、堤さんのほか同病院の医師や看護師が発起人となってサロンを提案した。

 開設以降、参加する患者や家族は1回につき10人ほど。医療費や治療の中身のほか、抗がん剤治療で脱毛に悩んだときのかつらの情報まで、ざっくばらんに話し合っているという。

 サロンには医師や看護師、栄養士などの医療スタッフも参加し、その場で患者の相談などを受けている。堤さんは「医療側も、病室とは違う雰囲気の中で患者さんの話をじっくり聞け、治療の提案もしやすい」と話す。

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 がんサロン設置への患者側の要望は全国的に高まっており、各地で設置が進んでいる。県によると、県内の12のがん診療拠点病院にも、サロンのような患者交流の場があるという。熊本県でも先月、行政と医療機関が連携したサロンが初めて開設された。

 新古賀病院に通院し、乳がん治療を受けている久留米市の女性(41)は「がん患者とその家族は、社会から孤立した気持ちになる。でもサロンに来れば、みんなが同じように苦しんでいる。1人で立ち向かうのではないと思えて、心強い」と話している。

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