携帯電話と脳腫瘍、「因果関係みられず」の研究結果に批判も

携帯電話と脳腫瘍、「因果関係みられず」の研究結果に批判も

(CNN) 携帯電話の使用と脳腫瘍の発症率の関係を調べた大規模な国際調査「インターフォン」で、両者に因果関係はみられないとの結果がこのほど発表された。これに対し、一部の専門家からは研究方法などの問題点を指摘する声も上がっている。

調査は世界保健機関(WHO)の国際がん研究機関が主導し、2000年から04年にかけ、米国以外の13カ国で実施した。脳腫瘍の手術を受けた患者に、携帯電話を使用していた期間や頻度、どちらの耳に電話機を当てていたかなどを尋ね、回答を分析した。結果は疫学専門誌IJEの最新号に掲載された。

それによると、携帯電話を1日30分以上、10年間にわたり使い続けていたヘビーユーザーのグループで、脳腫瘍の一種である「神経膠腫(こうしゅ)」を発症する危険性が40%高くなっていたことが分かった。さらに統計上の偏りを調整すると80%増という数字も出た。しかし研究チームによると、このグループに分類される人数は比較的少なく、因果関係を示す十分な証拠とは見なされなかった。

一方、少なくとも週1回、数カ月以上使用し、月平均の使用時間が120~150分間となる「日常的ユーザー」では、使用時間が増えるほど、脳腫瘍の発症率がかえって下がる傾向がみられた。チームはこれについて、「調査上の限界」による誤差の可能性を指摘している。

インターフォンの結果について、米マウントシナイ医科大のデブラ・デービス博士は「携帯電話を使うなとも危険だとも言えないが、安全だとは言い切れない」と話す。携帯電話は調査当時から現在までにさらに普及が進み、「米国には1週間に120~150分使うユーザーもいる」と、同博士は指摘する。

また、この分野で研究実績がある元エンジニアのロイド・モーガン氏は、同じように脳腫瘍との関連が疑われるコードレス電話の使用状況や、電磁波の影響を受けやすいとされる若者、子どものユーザーが、研究対象に含まれていないと批判する。また、回答者が使用頻度を申告する際、ヘビーユーザーは少なめに、あまり使わない人は多めに記憶している傾向があると主張。ただこれに対して研究チームは、記憶はほぼ正確だと反論している。インターフォンではさらに、携帯電話からの電磁波を受けた位置と腫瘍の発生個所との関係や、他の腫瘍の発症率などの研究も進行中。これらの結果はまだ発表されていない。

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