がん体験を語る

がん体験を語る

「お互い、つらいなあ」「本当に」。病院で偶然隣り合わせたがん患者同士が、手を取って涙ぐむ―そんな光景を幾度も見かけた。一瞬で分かり合える体験の重みと強さを感じた▲
 同じ病名でも、病状や治療法は千差万別。がん体験談は、医学情報としては参考程度にとどめざるを得ないが「どんな気持ちで病と向き合ったか」など、心の支え方を知るには有用。「仲間」の存在を知るだけでも患者の大きな力になる▲
 「希望があったから治療にも耐えられた」「死ぬまでどう生きるか、が一番重要。私には仕事が生きる意味だった」。松山市で講演した関原健夫さんは39歳から6回手術を受け、闘病記「がん六回 人生全快」を出した。その「戦歴」は特異だが、揺れ動いた心情は普遍的▲
 がん患者を取り巻く社会の偏見はいまだ根強く、近所や親類にも病名を隠し、孤独に闘う人も多い。誰かの力になりたいと、勇気を出して語る体験者の姿を見れば、孤独感は和らぎ、社会に風穴が開きそうな気もする▲
 関原さんを招いた患者会「愛媛がんサポートおれんじの会」でも、出前講座やいのちの授業を通じて患者・家族の声を発信している。まずは患者に、そして、がんとは無縁と思っている多くの人に届いてほしい▲
 今は亡きある女性患者がよく仲間にかけていた言葉を思い出す。「1人じゃないよ。一緒に頑張ろうね」

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