命~がん負けず「アル中克服記」

命~がん負けず「アル中克服記」

◇◆伊勢の市民記者・長戸さん 22年の断酒体験役立てて◆◇

 アルコール依存症を克服し、数々の病気に立ち向かってきた伊勢市在住の長戸稔さん(71)=写真=が、体験記「『みじめなアル中』から奇蹟(きせき)の人へ」を出版した。酒を断って22年。「自分の体験が断酒のきっかけになればうれしいです」。昨年11月には末期がんを宣告されたが、語り継ぎながら命を全うするつもりだ。

 長戸さんは、全国紙の記者としてベトナム戦争の取材を経験。帰国後、虚脱感から酒におぼれるようになった。

 地獄のような生活の始まりだった。一日中、酒を切らすことができなくなり、幻覚や幻聴に悩まされた。37歳の時、くも膜下出血で倒れた。その後も硬膜下血腫や胃がんを患い、生死をさまよった。

 「普通はアル中患者を意志の弱い人とみるでしょう。でも、一度なると自分ではコントロールできないんです」。自助グループ「三重断酒新生会」に入っても、酒への欲望が抑えきれなかった。

 妻の献身的な看病と友人の励ましに気づき、1988年5月にやめる決意をしてから22年間、一滴のアルコールも口にしていない。「酒を飲みたいという欲望が根負けしました」

 2005年からはインターネットのニュースサイト「PJニュース」の市民記者として取材を再開。しかし昨年11月、伊勢市長選の取材中に倒れ、末期の肝臓がんと宣告された。

 本では、「PJニュース」で10回掲載したアル中体験記のコラムをもとに、出版を勧めてくれた旧知の児玉克哉三重大教授が編集。「酒はまずいと思え」「好きなことをみつけよう」など、断酒への七つのアドバイスも載せた。

 長戸さんは「私は奇跡を起こし続けるため闘います。私を見捨てず、支えてくれた家族や友人への恩返しのためにも」と話している。A5判、116ページで2千円(税込み)。注文は、メールが「イリス総合研究所」(iris@kej.biglobe.ne.jp)、電話とファクスが児玉教授(059・231・5588)へ。

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