“最期”の日々に共感 夫婦が在宅ホスピス絵本 

“最期”の日々に共感 夫婦が在宅ホスピス絵本 

訪問診療を受けながら自宅で最期を迎える「在宅ホスピスケア」の普及を目指す西宮市大屋町、NPO法人理事長吉田利康さん(61)と理事で妻の恵子さん(48)夫妻が、自らの経験を基に家族のみとりを描いた絵本「いびらのすむ家」が話題を集め、版を重ねている。利康さんは「自分らしく過ごせる場所で最期を迎えることの大切さを、子どもたちにも感じてほしい」と話す。

 利康さんは、1999年に50歳だった前妻の章江さんを急性骨髄性白血病で亡くした。利康さんと再婚した恵子さんも前夫を食道がんで失った経験があり、一緒にNPO法人「アットホームホスピス」を設立、講演や本などで在宅ホスピスケアの普及を訴えている。

 絵本の製作は「子どもにも分かるように」と発案。利康さんと、当時大学2年と中学1年だった息子2人が章江さんの最期をみとった様子を、登場人物の名前を変えて再現した。

 章江さんは入院生活の末、延命治療をやめ「自分の体を信じて頑張ってみる」と自宅へ戻ることを決断。息を引き取るまでの間、家族同士が言い争う声さえ新鮮に聞こえるという、日常のかけがえのなさを実感していたという。

 絵と構成は、グラフィックデザイナーでもある恵子さんが担当。題名の「いびら」は、章江さんが自宅ですやすやと眠っていた時の「いびき」と、食欲が出て食べ過ぎた時の「おなら」から取った。

 昨年7月に4千冊を自費出版したが、患者やその家族らから注文が相次いだ。2週間ほどで在庫がなくなり、4千冊を再版した。「家族の死を直接的に取り上げた絵本は珍しく、共感を呼んでいるのではないか」と利康さんは話している。

 B5判、32ページ。絵本は無料だが、配布継続のため1冊500円以上の寄付を募っている。吉田さんTEL0798・65・2201

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