2歳の妹、白血病の姉救うために骨髄を提供―中国で最年少

2歳の妹、白血病の姉救うために骨髄を提供―中国で最年少

2歳の少女、銭悦悦ちゃんは24日、上海市内の病院で骨髄を採取する手術を受けた。姉の沁沁ちゃん(10歳)は白血病で、助かるためには骨髄移植しか方法がないと診断された。適合するドナー(骨髄提供者)は、妹の悦悦ちゃんしかいなかった。沁沁ちゃんは最初、妹に危険があるとして手術を拒否。父親の説得で、骨髄移植を受けることを決意した。妹の悦悦ちゃんは、全身に痛みが走る注射に耐えながら、姉の沁沁ちゃんを気づかったという。中国青年報などが報じた。

■2年間の闘病生活、副作用の苦しみに耐えぬく

  沁沁ちゃんが発病したのは2007年8月。父の銭徳さんに連れられて水泳に行ったが、帰宅後に発熱。3日間も熱が引かなかった。病院で診察を受けると、白血球が異常に少ないことが判明。病院は「非常に危ない状態」と通告。急性リンパ性白血病だった。

  沁沁ちゃんは休学し、病院に通って化学療法などを続けたが、不快感、痛み、脱毛などの副作用が沁沁ちゃんを襲った。銭徳さんによると、ちょうど次の子を妊娠中だった沁沁ちゃんの母親っが精神的に大きなショックを受けたことも、心配だったという。

  大人にとってもつらい闘病だが、沁沁ちゃんは生きる希望を捨てなかった。薬の副作用でひどい口内炎が発生した。看護師から、「病気を治すために、このお薬は、どうしても必要なの」と説明されれば、沁沁ちゃんは痛くて泣きながらでも薬を飲んだ。

  病気を根本的に治す方法は骨髄移植しかないとされた。しかし、中国の骨髄バンクには、適合者の登録がなかった。両親も不適合。望みは絶たれたかにみえた。

■妹を気づかう姉「つらい目にあわせるなら、手術はしない」

  同年末、妹の悦悦ちゃんが生まれた。検査したところ、適合していた。病院側は「骨髄移植は可能。ただし、年齢が小さすぎると、どちらにとっても危険があるので、様子をみましょう」と説明。その一方、悦悦ちゃんの急性リンパ性白血病は、「基本的に治った」と言えるまでに好転していった。

  ところが2010年1月18日の検査で、沁沁ちゃんの病気が、急性骨髄性白血病に変化していることが分かった。このままでは、3カ月程度しか生きられないと病院は判断。「できるだけ早い時期に、骨髄移植を実施」と、方針を変更した。悦悦ちゃんは、2歳で骨髄を提供することになった。中国で最年少という。

  このとき、沁沁ちゃんは初めて「もう、私は治らなくていい」と、治療を拒否した。理由を聞くと、妹がつらい目にあい、健康を損ねてしまう危険もあると知り、そんなことをするぐらいなら、自分が命を失った方がよいと思ったという。父親は「これまでにも8歳の姉が6歳の妹に骨髄を提供し、成功した事例がある。姉も妹も、元気に暮らせるようになった」などと、懸命に説き伏せた。沁沁ちゃんはようやく、手術を受ける決意をした。

  沁沁ちゃんはもともと、おとなしくて内気な子だ。妹にはとても優しく、自宅にまだいた時には、物心がつかない悦悦ちゃんが、自分のものを勝手に取り出して遊んでも気にせず、妹が喜びそうなものをさらに選んでやったりしたという。悦悦ちゃんは姉の沁沁ちゃんの後をついて回るのが、大好きだった。

  妹の悦悦ちゃんは活発で、知らない人とも、すぐに仲がよくなる。沁沁ちゃんが病院で暮らすようになってからは毎日、「お姉ちゃん行く、お姉ちゃん行く(姐姐去、姐姐去)」と騒いだ。まだ、言葉がたどたどしい悦悦ちゃん独特の表現、「お姉ちゃんに会いに行く」という意味だ。

■激痛に耐える妹、大好きな姉に「会いに行きたい」

  5月23日、妹の悦悦ちゃんは骨髄提供の準備のため、母にしっかりと抱かれて注射を打たれた。全身に強い痛みが走る注射という。悦悦ちゃんは大声で泣いた。母も泣いた。しかし、痛みが少しおさまると、悦悦ちゃんはいつものように、「お姉ちゃん行く」を繰り返した。大好きなお姉ちゃんが気になってしかたがなかったらしい。

  24日午前0時半。悦悦ちゃんは肉うどんを1杯たべた。手術は同日午後1時半に開始。手術が終わるまで、飲食はできない。悦悦ちゃんは時間通り、全身麻酔をかけられて手術を受けた。200ミリリットルの骨髄が必要だが、幼いため1度に採取すると危険なので、翌25日早朝と2度に分けての手術になった。

  病院側によると、手術は大成功だった。まだ予断を許さないが、順調に推移すれば、3カ月後には姉の沁沁ちゃんも健康を回復する見込みという。沁沁ちゃんは、病気が治ったら学校に復帰し、家族と海南島に遊びに行くことが、最大の願いという。

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