【書評】『9割の医者は、がんを誤解している!』岡本裕(ゆたか)著

【書評】『9割の医者は、がんを誤解している!』岡本裕(ゆたか)著

 □『9割の医者は、がんを誤解している! 生還者(サバイバー)に学ぶ「がん治療」の新しい考え方』

 ■自然治癒力を高めていくこと

 「医者がさじを投げたら投げ返せ!」

 余命を告げられ、死の宣告をされたにもかかわらず、末期がんから生還した人たち(サバイバー)が口にした言葉です。

 さらに多くは、こう言います。「がんを治したのは医者ではない」と。

 この本は、そんなサバイバーたちの言葉に耳を傾け、その体験から、がんを治す方法について学び、実践しようというものです。

 著者は、外科医として多くのがん患者を診るうち、がん治療の主流である「3大療法」(手術、放射線、抗がん剤)だけの医療に限界を感じるようになっていきます。さらにがんを詳しく知りたいという思いから大学院で研究を重ね、再び臨床に戻りますが、患者を救えない現実を目の当たりにして根本的に考え方を変えることになりました。
 そして、がんの相談や患者会との協働によるセミナー開催、国内外の医療情報の発信などを行う「e(イー)-クリニック」を15年前に立ち上げます。これこそが、多くのサバイバーと出会うきっかけでした。

 がんは、がんの部分だけを切り取って治るものではない。3大療法は身体を立て直すまでの時間稼ぎ。本当にがんを治すなら自己治癒力を高めていくこと。

 本書では、サバイバーの証言を、医学的に検証して導き出した「セルフ治療」を紹介しています。

 がんをなくすことばかりに目が向けられ、患者(自身)がおきざりにされがちな今、患者に学び、伴走者であろうとする医師としての謙虚さが、随所に感じられる一冊です。(飛鳥新社・1365円)

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