がんを生きる:/70 乳がん/下 体験生かし悩みの相談 /大阪

がんを生きる:/70 乳がん/下 体験生かし悩みの相談 /大阪

 ◇「おしゃべり」通じ、さまざまアドバイス
 05年2月に仕事を再開した橋本真由美さん(43)。しだいに、「乳がん体験を生かした活動をしたい」との思いが強くなってきた。自分に何ができるのか。がんを告知されたころを振り返ってみた。

 告知直後にインターネットで乳がんの情報を求めたが、情報ははんらんしていた。どれを信じていいのか分からない。腹も立った。平凡に暮らしてきただけなのに、なぜこんな目に……。揺れる胸の内を友人たちに話すと、涙を浮かべ、黙って聞いてくれた。不安や迷いが晴れてきた。

 「今の自分なら、乳がん患者の悩みを受け止められるのでは」。そんな時、NPO法人「キャンサーネットジャパン」(東京都文京区)の「乳がん体験者コーディネーター養成講座」を知った。

 キャンサーネットジャパンは、医療セミナーを各地で開くなどして、がん患者に情報を提供している。橋本さんは08年、養成講座を受講して資格を取得。キャンサーネットジャパンが大阪市淀川区に大阪事務局を開いた昨年5月、スタッフになった。

 大阪事務局では現在、前立腺がんや精巣腫瘍(しゅよう)、乳がんの相談会、医療用かつらのレンタルサービス、患者へのマッサージを行っている。橋本さんの担当は、若い乳がん患者を対象にした「おしゃべり会」だ。

 これまで相談に訪れた患者の中には、医師不信に陥っていた女性もいた。掛かり付けの医師にずっと「良性」と言われていたのに、実際には悪性だった。別の病院に行きたいが、医療自体に信用を失ってしまった。でも、がんを放置しておくわけにはいかない--。

 橋本さんはじっと話を聞き、乳腺専門医のいる病院を選ぶようアドバイスした。最新の治療法を科学的根拠とともに説明した。

 橋本さんは今も、体調がすぐれないと、「転移かも」と心配になる。それでも、がんになったことも人生の一部だと納得できるようになった。がんを通して、多くの人との交流が生まれたからだ。「乳がんになって自分を否定しそうになったら、話をしに来てほしい。悩みや不安を口に出せば、きっと何か解決の糸口が見つかる」

    ◇

 キャンサーネットジャパンは今月12日午後1時半、大阪市天王寺区上本町8の大阪国際交流センターで「がんを知ろうセミナーin大阪」を開催。インターネットでの情報収集方法の紹介や、女性のがん、男性のがんについてのトークセッションがある。橋本さんはトークセッションで話をする。参加費1000円。事前申し込み必要。このセミナーやおしゃべり会の参加予約は大阪事務局(06・6886・3388)。【佐々木雅彦】

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 ご意見や情報提供は、毎日新聞おおさか支局(ファクス06・6346・8444、メールat‐osaka@mainichi.co.jp)まで。

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