乳がん転移の経験語る 神戸の製薬会社が冊子に

乳がん転移の経験語る 神戸の製薬会社が冊子に

 乳がんの治療後にがんが転移、再発した女性8人の経験談を集めた冊子「再発乳がんと向き合うためのヒント‐先輩患者から学ぶ」を、製薬会社の日本イーライリリー(神戸市中央区)が作った。女性たちが再発のショックを乗り越え、がんと向き合いながら自分らしい暮らしを模索する姿が浮かび上がる。乳がん治療後の再発患者の経験談に絞った冊子は珍しいという。

 同社は今年1~2月、抗がん剤治療の経験がある乳がん患者216人を対象に、アンケートを実施。うち、がんが再発した患者は33人で、とりわけ経験者からの助言を求める意見が多かった。このため、医療系の雑誌を通じて了承が得られた再発患者を取材し、まとめることにした。

 登場するのは40~68歳で、主婦や保育士ら立場もさまざまだ。

 50歳の女性は1998年に乳がんが見つかり、左の乳房を摘出、2000年には仙骨(骨盤の中央部)への転移が分かった。再発の告知を受け、「信じられない」と1週間ほどは涙が止まらなかった。その後、さらに肝臓や肺への転移も判明し、「一生がんと付き合うしかない」と覚悟を決めた。現在はホルモン療法を続けながら、患者同士で心を支え合う活動に協力する。

 また、44歳の主婦はがんが肺に転移した後、「今したいことリスト」を作成。そのうちの一つ、自転車のイベントで100キロ走破することを達成したという。

 監修を務めた聖路加国際病院(東京)の中村清吾乳腺外科部長が「再発乳がんでも、自分らしく生きる」と題して寄稿したほか、アンケートの詳細や、再発患者が相談できる患者会などの情報も掲載している。

 4月に約1万部を発行したところ、再発を心配する乳がん患者やその家族らから読みたいという希望が相次ぎ、5月に約1万部を増刷。読者からは「前向きに生きている姿に励まされた」「自分らしく生きることの大切さを再確認した」などの感想が寄せられているという。

 B5判、52ページ。希望者はファクスで申し込めば、無料で送られる(1人1冊限り)。同社渉外企画本部ファクス078・242・9169

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