ドキュメンタリー映画:「風のかたち」 ありのままの小児がん患者 /京都

ドキュメンタリー映画:「風のかたち」 ありのままの小児がん患者 /京都

◇きょうから京都シネマ 伊勢監督10年間姿追う
 今は7、8割が治るとされる小児がん。その患者らの姿を10年間にわたって追ったドキュメンタリー映画「風のかたち」が5~11日、京都市下京区の京都シネマ(電話075・353・4723)で上映される。6日の午前10時10分の回終了後に、伊勢真一監督の講演もある。【小川信】

 小児がんは“不治の病”だった時もあったが、今は多くの子供たちが病気を克服している。伊勢監督は「治る病気だと知らず、漠然と『気の毒な子供たち』と思っていた」と語り、「そうしたレッテルが差別や偏見を生んでいることを知り、撮影を始めるきっかけになった」と振り返る。

 治療後回復し、あこがれの看護師や、出産し母親になった姿も記録。一方、「7、8割が治る」という事実の裏側にある「助からない患者が1、2割いる」という現実も映し出すが、悲壮感はない。

 その根底に流れるのは、伊勢監督が長い時間をかけて培った患者らとの絶妙な距離感だ。伊勢監督は患者や体験者に病気の事を聞くのに3年間かけたという。また、上映できる確証もないまま、10年間カメラを回し続けた。そうして築いた信頼関係が“悲劇の主人公”ではない、ありのままの姿を映し出す原動力になっている。

 派手さはない。明確な答えがあるわけでもない。ただ、鑑賞後に患者やその家族に思いをはせたいと素直に思える良作だ。

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