子宮頸がんワクチン県内初助成 川根本町

子宮頸がんワクチン県内初助成 川根本町

 川根本町は本年度、中学生から29歳の女性を対象に、子宮頸(けい)がん予防ワクチン接種費の公費助成を県内で初めてスタートした。全国の自治体でも助成の動きは一部で始まったばかり。町は、町民が子宮頸がんやワクチンについて産婦人科医から学ぶ健康講演会を開くなど、「病気に対する正しい理解の普及と対象者の不安軽減に努めたい」と慎重に進めている。
 人口約8500人の同町が助成に踏み切ったのは、県内トップの高齢化率(約40%)に加え、さらなる少子化の進行が予想されることが背景にある。町は「町民の命を重視し、次世代の町の担い手の健康を守るための施策」として、子宮頸がんのほか、65歳以上対象の肺炎球菌ワクチン、子供の細菌性髄膜炎を予防するヒブワクチンなどの助成も本年度から始めた。
 同町の子宮頸がんワクチンの助成策は「5万円前後」(医療関係者)とされる接種費を、中学生は5千円、15歳以上29歳までが3分の1の自己負担で受けられるとの内容。対象者は約550人。
 町内では、ワクチン接種への関心は高まりつつあり、5月に2回開いた健康講演会には中学生62人を含め、保護者や対象年齢の女性ら計約200人が参加した。出席した中学1年の母親(37)は「高額な費用を助成してもらえるのはありがたい」と歓迎し、中3の女子生徒(14)は「死にかかわる怖い病気と分かった」と理解を深めた様子。一方で、一部の保護者は「効果がはっきりしない感じで不安」「性体験との絡みもある。説明が難しい」と複雑な表情ものぞかせた。
 講師を務めた静岡厚生病院産婦人科の石橋武蔵医師(39)は「子宮頸がんという病気を中学生などの早い段階から知ってもらうだけでも意義がある」と指摘する。講演会を企画した町生活健康課の伊藤千佳子室長は「ワクチン接種をただ勧めるのではなく、あくまでがん検診とセットにした予防の重要性を町民に啓発していきたい」と力を込める。
 県によると、県内の20歳以上の子宮がん検診の受診率は約26%(2008年度)。全国平均は上回るが、国は検診受診率50%以上の目標を掲げている。県疾病対策課は「ワクチンの助成については全国一律を基本姿勢に、他県と同様に国に要望している状況。検診率向上の呼び掛けなど今できる対策を進めたい」という。※

 子宮頸がん予防ワクチン 子宮頸がんの主な原因は、性交渉などを通じた発がん性ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染。このうち同がん患者から多く見つかる2タイプのHPVを防ぐグラクソ・スミスクライン社のワクチンが昨年、国内で初めて発売された。半年間に計3回の接種が必要。20~30代女性の発症が増加する中、感染の可能性が低い10代前半の接種でより効果的に予防できるとされる。

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