乳がん検診 若い人は必要?

乳がん検診 若い人は必要?

20~30歳代の女性を対象とした乳がん検診に対し、専門家らが異議を表明した。

 乳がん検診は何歳から必要なの?

 乳がんのため24歳の若さでこの世を去った女性のドキュメンタリー「余命1ヶ月の花嫁」。2007年にTBSで放映されるや大反響を呼び、関連本の出版や映画化も相次いだ。08年からは、番組にちなみ、20~30歳代に限定した乳がん検診キャンペーンが展開されているが、これに対し、患者や医療関係者らが9日、TBS側に内容の見直しを求める要望書を出した。

 キャンペーンは、番組関連の収益を使い、自己負担1000円で、若い女性に乳房のエックス線撮影(マンモグラフィ)や超音波検診を実施。延べ約7300人が受診した。要望書は「20~30代の女性を対象とした検診は科学的根拠がなく、正しい情報を発信する責務があるテレビ局が行うのは問題」などと指摘。中止も含めた活動内容の再考を求め、質問状を添付した。

 厚生労働省の指針では、乳がん検診の対象は40歳以上だ。40~50歳代に患者が多いためとしている。

 乳がん検診に詳しい国立病院機構名古屋医療センター放射線科の遠藤登喜子部長は「若い世代に関心を持ってもらうための啓発は重要ですが、すべての若年者に広く検診を勧めるのは間違い」と指摘する。本来必要のない精密検査を受けることになったり、苦痛が伴ったり、といった不利益のほうが大きいためだ。

 米国では40歳代を対象に含めるかどうかでも論議が起きている。09年11月、政府の作業部会が「不必要な検査や治療につながる可能性が高い」としてマンモグラフィ検診の対象を50歳以上に引き上げるよう勧告。これに対し、米国対がん協会などは40歳代でも利益の方が上回ると反論している。

 TBS広報部は「詳しく説明した上で、自己責任で受けてもらっている。様々なリスクを考慮した上でも、受診機会を提供したことは一定の成果があったのではないかと考えている」などとしている。

 要望書に名を連ねる乳がん経験者の寺田真由美さん(49)は「ドキュメンタリーが感動的なだけに純粋な若い人への影響は大きい。感情に流されることなく、正しい情報を知ってもらうことが大切。もっと有効な検査方法や治療の研究、患者のサポートに力を入れてほしい」と話している。

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