子宮頸がん ワクチン接種進めたい(6月14日)

子宮頸がん ワクチン接種進めたい(6月14日)

 若い女性の間で増えている子宮頸(けい)がんの予防ワクチン接種について、厚生労働省が来月から助成策の具体的な検討を始める。

 「唯一予防できる」と言われているがんだ。ワクチン接種を進めるために、国の助成を前向きに検討してほしい。

 子宮頸がんはヒトパピローマウイルスが子宮の入り口に感染して起こる。ほとんどの女性はこのウイルスに感染するが、大多数は免疫作用で自然にウイルスが消滅する。ただ、中にはウイルスが体内に潜伏し、がんを発生させるケースがある。

 国内では年間に約1万5千人が発症し、3500人が死亡している。

 これを防ぐのがワクチンだ。10代前半に接種すると、7割以上ががんを予防できるという。わが国では昨年10月に承認され、同12月から自己負担の任意接種が始まった。

 接種は半年間に3回行わなければならず、合わせて5万円前後の費用がかかる。子供のいる家庭の負担は軽くない。

 そのため、オホーツク管内斜里町や上川管内幌加内町など接種費用を独自に助成する自治体が出始めた。

 しかし、こうした自治体は少数だ。民間団体が全国規模で行ったアンケートでは、何らかの助成を実施しているか、計画がある自治体は、回答のあったうちの4・1%だけだった。補助の割合もまちまちだ。

 海外では約30カ国がワクチン接種の助成をしており、国内でも国の助成を求める動きが相次いでいる。住む地域や親の所得などで接種の機会に差が生じるのはおかしい-との訴えは十分に理解できる。

 民主党が昨夏の衆院選でのマニフェストに「子宮頸がんに関するワクチンの任意接種を促進する」との政策を盛り込んだことを受け、厚労省はワクチンの有効性や患者数の実態など基礎的な資料を集めている。

 来月初めにはこの作業を終え、具体的な検討に入る予定だ。

 議論の焦点になりそうなのは、多額の税金を投じるだけの効果があるかどうかなどだ。

 子宮頸がんになった時の医療費や失われる労働力よりも、予防のための費用の方が少ない、との研究機関の試算もある。

 子供が欲しくても、がんの治療で子宮を摘出し、産めなくなってしまう女性がいる。これも社会にとっての損失だろう。ワクチン接種を国が助成する意義は大きいはずだ。

 もちろんワクチンの接種だけでは十分でない。がんを早期発見するための定期的な検診も欠かせないが、全国の受診率は20%程度と低い。受診率を高めていくための施策も必要だろう。

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