Dr.中川のがんから死生をみつめる:/61 検診受けて早期発見

Dr.中川のがんから死生をみつめる:/61 検診受けて早期発見

がんで命を落とさない一番確実な方法は、がんにならないことです。そのためには、禁煙が一番大事。そのほかに、お酒はほどほどにして、適度な運動に取り組み、野菜中心で塩分や動物性脂肪を控えた食事を心がけましょう。しかし、理想的な生活習慣で暮らしても、がんのリスクは3割程度残ってしまいます。がんは、完全な生活習慣病ではなく、「運」の要素もある病気なのです。

 このため、仮に「運悪く」がんになったとしても、早期に発見して完治する必要があります。早期がんの段階で治療すれば、ほぼ9割は完治します。がんを避ける生活習慣と早期発見の二段構えが、がんで死なないための秘訣(ひけつ)といえます。

 さて、早期発見とは、どのようなことでしょうか。「調子が悪くなったらすぐに病院に行って検査をすること」ではありません。

 がんの場合、症状が出たら、進行がん、あるいは末期がんです。どの臓器のがんも、早期であれば、まず症状は出ません。症状がまったくない元気なうちに、定期的に検査しなければ、早期がんを見つけることはできないのです。つまり、がんの早期発見とは、がん検診と言えます。

 がん検診は、市区町村が窓口となる住民検診と、会社などで実施する職域検診があります。住民検診は、昨年から一部の年齢の人を対象に、乳がんと子宮頸(けい)がんの検診の「無料クーポン」を配布したことなどで、受診率が上がり始めています。

 職域検診については、企業で働く人のがん検診の受診率向上をめざす「がん検診企業アクション」の取り組みが進んでいます。これは、厚生労働省が委託している事業で、私もアドバイザー会議の議長として応援しています。

 会社員の死亡の半数が、がんによるものです。人材の損失は、企業にとっても、重大な問題です。現役世代では、男性より女性のがんが多いため、女性の社会進出とともに、さらに深刻な問題になっています。

 がん検診企業アクションは、従業員とその家族の受診率向上に取り組む「推進パートナー企業」への参加を呼び掛けています。次週は、会社でのがん検診の状況を紹介します。

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