はりと温熱療法 同時に

はりと温熱療法 同時に

◇◆微弱高周波流し発熱 ツボの奥まで「効くぅ~」◆◇

 鈴鹿市の鈴鹿医療科学大学の研究グループが、はり治療と温熱治療を同時に行える新しい鍼灸(しんきゅう)システムを開発した。治療用の針に微弱な高周波を流して発熱させることが特徴で、5年以内の実用化をめざしている。システムの概要は、大阪市で11~13日に開かれた全日本鍼灸学会学術大会で発表した。(安田琢典)

■鈴鹿医療科学大の研究グループ

 システムを開発したのは、鍼灸学部の鈴木聡准教授(鍼灸学)のグループ。2007年4月に開発を始め、今年1月に試作品が完成した。

 鈴木准教授らは、がん細胞を熱で破壊する「ハイパーサーミア」と呼ばれる治療法を応用。通常のはり治療に用いる直径0・2ミリ未満の細い針をツボに刺し、高周波発信器とつながるクリップを針に取り付けて体の反対側に電極を当てて高周波を流し、体内の針先を発熱させる仕組みをつくった。

 高周波は面積の狭い方の電極に集中する特性がある。このため、高周波が集中する針先付近のみで発熱させ、患部をピンポイントに温めることができるようになった。

 これまでの温熱治療に用いる針は注射針並みの直径0・4ミリ前後と太く、使用時に痛みが伴い、身体を傷つけることもあった。また、針に直接火を当てて加熱した後に刺すため、体内に針が入ると冷えて、温熱作用を持続させることが難しかった。

 おきゅうとはり治療を併用する方法もあるが、おきゅうでは皮膚の表面付近しか温まらず、ツボの奥を加熱するには不向きだったという。

 新しいシステムを使えば、ツボの深部を加熱することができる。細めの針を使っているため、従来の温熱治療では危険とされてきた顔面への使用も可能になるという。

 今後の課題は、身体への負荷を極力減らせるようにシステムの能力を向上させることだという。試作品の段階では針に0・2アンペアの高周波が流れることから、心臓に悪影響を与えたり、加熱しすぎてやけどする可能性がある。そこで研究グループでは、高周波の量を0・1ミリアンペア程度まで抑制できるようにシステムを向上させた後、臨床実験に取り組む方針だ。

 鈴木准教授は「これまで、はり治療と温熱療法は別々にしてきた。同時にできるようになれば、新しい治療法を確立できると思う」と話している。

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