がんを生きる:/73 慢性骨髄性白血病/下 患者らの再出発支援 /大阪

がんを生きる:/73 慢性骨髄性白血病/下 患者らの再出発支援 /大阪

 ◇イベント会社設立、当事者として発信
 血液のがん「慢性骨髄性白血病(CML)」の治療で骨髄移植を受け、新たな人生を授かった大阪市東成区の杉本郁夫さん(35)。治療の副作用や病への無理解と闘いながら07年1月、チャリティーコンサート「いのちを紡ぐ」を初めて開催した。コンサートは定着し、今夏、4回目を迎える。

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 杉本さんは退院後、非常勤職員として府立健康科学センター(大阪市東成区)に就職。センターで無料セッションを開いていた歌手グループ「土曜の午後はシャンソンで!」と親しくなり、闘病の苦労や移植の重要性を知ってもらった。無料セッションは骨髄バンク支援のために開かれるようになり、07年、収益金をすべてバンク支援団体に寄付するチャリティーコンサートに発展した。

 今年3月には、闘病体験を基にした演劇「月の静かな夜のこと」を企画した。劇は白血病を告知された会社員と家族のきずなを描写し、公演後「骨髄バンクのことを勉強したい」「当事者の苦労を痛感した」などの感想が寄せられた。

 社会復帰には壁もあった。センターで働く前、ある会社の就職面接で病歴を明かした途端、「障害はいいけど、白血病は……」と、採用を断られたのだ。

 「死の病」と思われていることもあり、がん患者の就職への理解はまだ十分でない。07年施行の「がん対策基本法」も、患者の就労について触れていない。

 杉本さんは05年に独立し、市内にイベント会社を設立。今は小さな所帯だが、「日の出」を意味する英語「sunrise(サンライズ)」から決めた社名「ライズ企画」には、患者や元患者を雇って再出発の機会を提供する願いが込められている。

 抗がん剤などの副作用で腎機能が悪化し、週3回、透析が必要になった。服薬も続く。それでも突き進むのは、「助けてくれる人がいたからイベントや起業を実現できた。当事者として発信するのがドナーや支援者、亡くなった患者仲間の期待に応えること」と思うから。入院患者も参加できるイベント開催も目指している。【林田七恵】

 ◇骨髄バンクチャリティーコンサート、8月21日大東市で
 第4回骨髄バンク支援シャンソンコンサート「いのちを紡ぐ」は8月21日午後2時、大東市新町の市立総合文化センターで。前売り2500円。問い合わせは「骨髄バンクチャリティコンサート実行委員会」事務局(06・6976・8867)。

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