Dr.中川のがんから死生をみつめる:/62 検診受診、職場で推進を

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07年に国が定めた「がん対策推進基本計画」では、10年間でがん死亡率を2割減らすことを、緩和ケア推進と並んで2大目標に掲げました。そして、それを実現するための個別目標として、がん検診受診率を5年以内に5割にすることを挙げました。

 がん検診受診率50%の達成には、会社でのがん検診の受診率向上がポイントです。このため、厚生労働省が委託実施する「がん検診企業アクション」の重要性が増しています。

 企業アクション事務局が実施した「がん検診に関する意識調査」によると、会社員のがん検診に対する意識と実際の受診率とのギャップが明らかになりました。会社員の94%が「定期的にがん検診を受けるべきだ」と回答しましたが、実際に受けたことがある人は32%にとどまりました。97%の社員が「職場でがん検診を実施するなら受診したい」と思っているにもかかわらず、「会社が積極的に実施しているかどうか」に「実施している」と答えた人は22%にすぎませんでした。がん検診を受けるきっかけは、「職場の健康診断で実施していたから」が56・3%と最も多く、企業ががん検診に積極的に取り組むことが、受診率増加のきっかけになるとみられます。

 がん検診企業アクションに参加する推進パートナー企業は、事務局から情報提供などを受け、普及啓発に取り組みます。参加のための費用負担はありません。現在、推進パートナー企業は87社、従業員総数は約41万人です(6月4日現在、http://www.gankenshin50.go.jp/)。

 パートナー企業の一つ、医療機器メーカーのテルモは、社員のがん検診の受診率を80%にする、という高い目標を掲げます。社員が受診しやすいように「定期健診」と「がん検診」を同時に実施し、胃がんや大腸がんなどの検診は、1割程度の自己負担で受診できるように補助もしています。未受診者には、個別にメールを送り、受診を促しています。

 すでにがん検診受診率50%を達成している韓国をみても、一人一人へのきめ細かな受診勧奨が有効です。がん死亡を減らすため、企業も自治体も、そして国も、労を惜しんではなりません。

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