唾液検査でがんを高精度発見 慶応大先端研など技術開発

唾液検査でがんを高精度発見 慶応大先端研など技術開発

慶応大先端生命科学研究所(鶴岡市)は28日、杉本昌弘特別研究講師らのグループが、唾液(だえき)を検査することで口腔(こうくう)がんと乳がん、膵臓(すいぞう)がんを高精度で発見する技術を開発したと発表した。唾液による発見方法は、検体採取が簡易で患者への負担が少ない。検査コストの低減も可能で、他のがんへの研究の広がりや、早期の実用化が期待される。

 発表によると、研究対象とした口腔がんで80%、乳がん95%、膵臓がんでは99%の確率で発見ができるという。

 今回開発した研究成果は国際特許出願中で、オランダ・アムステルダムで開催中のメタボローム国際学会で29日、杉本講師が発表。

 この技術は、米カリフォルニア大ロサンゼルス校歯学部のデビッド・ウォン教授らとの共同研究で発見した。ウォン教授らは、健常者と比較的早期のがん患者などから215人分の唾液サンプルを採取した。これを先端研のメタボローム解析装置を使って、杉本講師らが開発した多数のデータを比較できるソフトウエアを取り入れて解析。3種類のがん患者と健常者で大きな違いを示すアラニンやカダバリンなど54種類の物質を特定した。その組み合わせを解析することによって、3種類のがんを高い確率で見分けられることを解明した。

 杉本講師は「今回は3種類のがんが解明できた。胃がんなど消化器系の初期段階の発見に有効と考えられる」とした上で、「第一歩を踏み出した段階で、今後、他のがんについても枠を広げ、研究を重ねていきたい」と語った。

 今回の発表について、日本のがん研究の権威、杉村隆国立がん研究センター名誉総長は「メタボローム研究の一端として出てきた成果で、今後のがん診療などにとっても、大変面白い研究だ。対象となるがんの種類を増やし、もっと多くのデータ集積に期待したい」と話している。

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