冷却保存し肺自家移植、 岡山大 世界初、がん切除治療法を拡大

冷却保存し肺自家移植、 岡山大 世界初、がん切除治療法を拡大

岡山大病院は2日、肺がん患者の片肺をすべて摘出し冷却保存した状態で患部と周辺を切除後、肺を体内に戻す「自家移植」手術に成功したと発表した。

 肺を戻すことで、術後の呼吸機能の低下を抑えられる。冷却保存は、摘出した肺の機能を一時的に保持し、より安全な治療につなげるのが目的。執刀した呼吸器外科の大藤剛宏講師によると、肺の自家移植成功は国内で初めてで、冷却保存したケースは世界初という。

 国立がん研究センターのデータ(08年)では、肺がんで年間約6万6千人が亡くなっており、がんの中で、男女合わせて死亡者が最多。

 今回の手法は、肺の全摘に耐えられず手術をあきらめていた進行がん患者に役立ち、治療の選択肢を広げると期待される。

 患者は広島県の60代男性。右肺中枢部や気管支、肺動脈でがんが進行し、がん病巣のみの切除は難しく、右肺の全摘が必要と診断された。右肺は肺活量の55%を担うため、摘出すると息切れするなど生活の質(QOL)が低下するのが特に問題だった。

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