参院選:子宮頸がん予防ワクチン、助成公約相次ぐ

参院選:子宮頸がん予防ワクチン、助成公約相次ぐ

若い女性に増えている子宮頸(けい)がんの予防に有効とされるワクチンが昨年承認されたのを受け、主要各党が接種の公費助成を参院選公約に打ち出した。背景には、ワクチンが保険適用外のため計5万円程度(接種3回分)が自己負担となる現状がある。一方、昨年の衆院選公約で「子宮頸がんに関するワクチンの任意接種を促進」と唱えた民主党の参院選公約から子宮頸がんの言葉が消え、患者団体などに落胆が広がっている。【坂本高志】

 埼玉県川越市の穴田佐和子さん(37)は29歳の時に子宮頸がんを告知され、全摘手術を受けた経験から、05年に患者のためのサポートグループ「らんきゅう」を設立。今年5月、「公費助成推進実行委員会」などがワクチン接種の公費助成を求める要望書を民主党に提出した際、穴田さんも同席した。

 しかし、参院選公約では、現行1万3000円の「子ども手当」の上積み分を、「ワクチン接種への公費助成」などの現物サービスに代えられるようにするとの内容で、衆院選時に明記された子宮頸がんは消えていた。

 同実行委共同代表の土屋了介・元国立がんセンター中央病院長は「ほとんどの先進国で公費助成がなされている」と指摘。穴田さんは「目先の財源とかではなく、女性の命を守る政策を実行してほしい」と願う。

 一方、自民党の公約は衆院選時にはなかった「子宮頸がん予防ワクチンの定期接種も含め感染症予防を推進」が登場。子宮頸がんにかかった経験を持つ女優の三原じゅん子氏(45)を比例代表に擁立するなど、積極姿勢に転じた。

 公明党も公費助成を提唱。5月には「子宮頸がん予防法」を参院に提出(廃案)するなど、前向きに取り組んできた実績を放映中の政党CMでPR。社民党は「接種費用の軽減」を、共産党も「国の予算による定期接種化を実現」とうたう。

 ほかの主要政党の公約には接種の助成などへの具体的言及はない。ただし、みんなの党は自民党衆院議員時代に自公の「ワクチン予防議連」事務局長だった病院理事長、清水鴻一郎氏(64)を比例で擁立。清水氏は接種無料化を訴える。

 【ことば】子宮頸がん

 子宮の入り口付近にできる。主に性交渉でヒトパピローマウイルス(HPV)に感染して起き、性交渉の経験がある女性の8割が少なくとも生涯に一度はHPVに感染するとされる。日本では年間1万5000人前後が発症し、3000人前後が死亡していると推計される。予防ワクチンは100カ国以上で承認されており、100種類以上の型があるHPVのうち、発症原因の7割を占める二つの型の感染を防ぐ。一定の助成をする市区町村は130程度(6月現在)。

トラックバック&コメント

この記事のトラックバックURL:

まだトラックバック、コメントがありません。


7日からパリでがん個別化治療シンポ=WINコンソーシアム〔BW〕 »
« 乳がん最新治療を解説 専門医10人、広島でフォーラム