シラカバ樹皮成分「ベツリン」にがんの働き抑制効果 富山県薬事研が確認

シラカバ樹皮成分「ベツリン」にがんの働き抑制効果 富山県薬事研が確認

富山県薬事研究所(射水市)の研究グループは6日までに、シラカバの樹皮に含まれる成分「ベツリン」に、生物の免疫機能を低下させるがんの活動を抑える作用があることを突き止めた。がん細胞が出す免疫抑制因子の働きを防ぐことを実験で確認した。新たながん治療法につながる可能性があり、同日までに県が特許申請した。
 がん治療では、外科療法や化学療法は体への負担が大きいことから、患者自身の免疫力を高め、負担が小さい免疫療法が注目を集めているが、効果を発揮するには、がんによる免疫抑制を克服する必要がある。

 県薬事研究所の高津聖志所長、松永孝之課長、小笠原勝主任研究員のグループは、がん細胞を殺すナチュラルキラー(NK)細胞の働きを活性化させるため、がん細胞が分泌する免疫抑制因子を弱める物質を探した。

 研究所の保有分や県内製薬メーカーなどから提供を受けた748の天然化合物で実験した結果、ベツリンに効果があることを確かめた。効果を持つとされる既存の物質は一つの免疫抑制因子にしか作用しないのに対し、ベツリンは二つの因子で効果が認められた。

 研究グループはベツリンの化学構造式で、どの部分が効果に影響しているかも解明。これを基に化学構造式を変えれば、より効果がある物質を合成できる可能性もある。今後はベツリンでの動物実験や、作用のメカニズム解明を進める。

 研究は富山、石川両県による「ほくりく健康創造クラスター」事業の一環で、高津所長は「免疫療法の進歩につながる成果で、将来は臨床レベルでも実用化させたい」と話した。

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