治療による脱毛 ひとり悩まないで 県立静岡がんセンター 患者向けの冊子を作成

治療による脱毛 ひとり悩まないで 県立静岡がんセンター 患者向けの冊子を作成

がんの治療に伴う脱毛は、副作用の中でも変化が目に見え、患者を精神的に苦しめる。その苦痛を和らげようと、対処法をまとめた冊子の作成や、医療用ウィッグ(かつら)を寄付するなど、患者を支援する活動が始まっている。 (福沢英里)

 「抗がん剤は全身に影響を及ぼす。髪の毛だけでなく、まゆ毛やまつ毛、鼻毛などすべての体毛が抜けてしまう」。静岡県長泉町の県立静岡がんセンター疾病管理センターの看護師、広瀬弥生さんは、抗がん剤治療による脱毛の特徴をこう説明する。放射線治療の場合は、放射線が当たった体の範囲で脱毛が起こる。

 毛が抜けると、頭皮は外傷や紫外線、寒さなどの刺激を受けやすくなる。まゆ毛が失われれば、汗が直接目に入り、まつ毛が抜けると、目にごみやほこりが入りやすくなる。

 精神的なダメージも大きい。「見た目が変わることへの不安や衝撃に男女差はない。ところが脱毛全般のケアはあまり重視されてこなかった」と広瀬さん。

 同センターでは昨年、脱毛に関する知識や影響、対処法までを分かりやすくまとめ、抗がん剤編と放射線編に分けて発行。全国のがん診療連携拠点病院に配布した。

 脱毛は個人差があり、まずは主治医から、予想される脱毛の程度を聞いておく必要がある。その上で、治療前の具体的な準備として広瀬さんは、頭皮を傷つけないようつめを切る▽髪も短く切る▽刺激となるパーマやカラーリングはしない▽ウィッグや帽子、バンダナなどのおしゃれ情報を集める-を挙げる。

 脱毛が始まったら、頭皮は常に清潔に保つ。刺激の少ない弱酸性のシャンプーで洗い、ドライヤーの使用を控える。水分を優しく吸収する感じで、頭皮にタオルを当てるとよい。

 室内では、スカーフやバンダナ、軟らかい綿素材でできた帽子を使うと、髪の毛が床に落ちたり、寝具に付いたりしにくくなる。外出時もウィッグや帽子で外見をカバーするだけでなく、さまざまな刺激から頭皮を守る。サングラスやマスクで目や鼻を覆うのもいい。

 治療が終われば、大半の人は一年程度でまた生えてくる。広瀬さんは「それまでの間、対処ができれば苦痛の軽減になる」と話す。冊子の情報は、八月にもHP(「サバイバーシップ」で検索)に掲載。同センターでは、院内の情報コーナーに院内ボランティアらが作った綿の帽子を展示し、バンダナやスカーフの巻き方なども紹介している。

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