新抗がん剤、放射線治療の併用研究へ

新抗がん剤、放射線治療の併用研究へ

■風邪ウイルス改変「テロメライシン」で臨床/岡山大病院

 岡山大学が開発した抗がんウイルス製剤「テロメライシン」と放射線治療を併用する臨床研究が12日、同大学病院の遺伝子治療臨床研究審査委員会で承認された。近く厚生労働省の承認を得た上で、研究を開始するという。

 テロメライシンは風邪の原因になるウイルスを改変した製剤で、がん細胞の中で増殖してがん細胞を破壊する。2002年に岡山大が開発し、米国での臨床試験で末期がん患者らの腫瘍(しゅ・よう)が小さくなり、痛みが軽減されることが証明されているという。

 今回の臨床研究では、頭頸(けい)部がんや食道がん、肺がんの患者を対象に、テロメライシンを腫瘍に局所投与しながら同時に放射線治療もする。

 がんの放射線治療は、がん細胞のDNAを損傷させてがん細胞を破壊する。しかし、がん細胞内のたんぱく質が損傷を修復するため、がん細胞が残ってしまう欠点がある。テロメライシンを投与すると、製剤のたんぱく質が、がん細胞内のたんぱく質を分解して修復を遮るため、放射線治療の効果が高まることが期待されるという。

 臨床研究は、約3年間で患者12人が対象になる予定。放射線の照射量は一定にし、テロメライシンの投与量を段階的に上げて薬効の持続時間、腫瘍進行の度合い、患者の嚥下(えん・げ)機能や呼吸機能などについて評価する。

 研究にあたる同大学大学院医歯薬学総合研究科の藤原俊義教授(消化器・腫瘍外科学)は「手術に耐える体力のない高齢患者に使えば、がんの再発を遅らせたり、生活の質を高めたりすることができるのではないか」と話している。

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