Dr.中川のがんから死生をみつめる:/65 医療もチームワーク重要

Dr.中川のがんから死生をみつめる:/65 医療もチームワーク重要

サッカー・ワールドカップでの日本代表の戦いの余韻がまだ残っています。特に、デンマーク戦での、本田圭佑選手、遠藤保仁選手の個性的なフリーキック、岡崎慎司選手の3点目をおぜん立てした本田選手の華麗なフェイントが忘れられません。

 笑われるかもしれませんが、僕もサッカー少年でした。母校の暁星学園(東京都千代田区)では小、中学校とサッカー部に所属しました。ポジションはゴールキーパーで、元日本代表で解説者の松木安太郎氏は、3学年上の先輩になります。

 ゴールキーパーにとって、PK戦は死刑台に上がったような気持ちになります。一方、キッカーにとっても、ゴールが外れればチームの命運が終わる非常に過酷なプレーです。再試合をするとか、延長時間を長くするなどして、PK戦以外の形で決着をつけることができないかと思います。

 パラグアイ戦でPKをはずして泣きじゃくる駒野友一選手を、チームメートが涙ながらになぐさめていたシーンは印象的でした。駒野選手は、試合が終わった夜、一睡もできなかったそうですが、すぐに笑顔を取り戻しました。選手やスタッフによる素晴らしい「緩和ケア」がされたことがうかがえます。

 本番直前の親善試合で4連敗した日本代表が、ここまで活躍できた原動力は、守備重視の戦術に切り替えた大胆な方針転換と、控え選手やコーチを含むチーム全体の結束の強さだったと思います。

 がんの医療でも、このチームワークは非常に重要です。とくに僕が専門とする放射線治療と緩和ケアでは、チーム医療が不可欠です。

 放射線治療では、放射線治療医のほか、日々の治療にあたる診療放射線技師、患者さんのケアにあたる看護師が欠かせません。さらに、理工系の知識を持って医師や技師を支援しながら、コンピューターのシミュレーションや放射線照射の精度管理などを担当する「医学物理士」が、高精度放射線治療の現場では重要になっています。

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