【ATL―成人T細胞白血病―制圧へ】ATL啓発 広がる輪 母子感染予防冊子 福岡市も全妊婦に配布

【ATL―成人T細胞白血病―制圧へ】ATL啓発 広がる輪 母子感染予防冊子 福岡市も全妊婦に配布

県内11例 周知に期待
 福岡市は、成人T細胞白血病(ATL)などの原因ウイルスHTLV1の感染予防で、母子感染の恐れや妊婦健診の必要性を説明する冊子を、すべての妊婦に配布する方針を固めた。福岡県内では6月からの古賀市、今月13日からの北九州市を含め、少なくとも11市町村が同様の取り組みをスタートさせており、患者団体が「対策の第一歩」として行政に働きかけてきた啓発の輪が広がりつつある。

 福岡市によると、冊子は産科医療機関や各区役所で交付する母子健康手帳に差し込む形で配る。内容を検討中で、「できるだけ早く配布を始めたい」という。

 福岡県によると、HTLV1の感染者は県内に推計6万7千人。県内の産科の約8割が全妊婦に抗体検査を実施する一方、希望者だけに実施している施設や検査をしていない所もある。

 HTLV1が原因の神経難病・HTLV1関連脊(せき)髄(ずい)症(HAM)の患者団体「アトムの会」福岡支部は5月、妊婦検査の公費負担や感染予防対策の周知徹底を求める要望書を県と福岡、北九州両市に提出した。

 6月初旬から県内で最初に全妊婦への啓発資料配布を始めた古賀市のリーフレットは、A5判二つ折りで母子健康手帳と同サイズ。青柳茂・保健福祉部長は「まず母子感染について知ってもらうことが対策の第一歩」と強調する。

 県は6月に全市町村の担当職員を集めてATL対策研修会を開催。古賀市の例を参考に、妊婦への啓発を呼び掛けた。北九州市は、これを受けてA4判で全4ページの冊子を作製し、すべての妊婦に配布を始めた。

 一方、妊婦抗体検査を徹底するため、九州では長崎、鹿児島など4県の市町村が検査費用を公費負担している。福岡県内では古賀市が今月13日、県内で初めて、10月から公費化すると表明。陽性の妊婦には、感染予防のための授乳指導やカウンセリングなどの対応をするという。

 アトムの会福岡支部の斎藤美子支部長(55)は「正しい知識を持つことが、次世代への感染予防だけでなく感染者への偏見防止にもつながる。公費負担も含め、他の市町村も続いてほしい」と話している。

=2010/07/22付 西日本新聞夕刊=

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