乳がん 遺伝子検査で薬選び…再発防止効果に個人差

乳がん 遺伝子検査で薬選び…再発防止効果に個人差

乳がん患者の遺伝子を調べることで、再発予防に効果があり、価格も低い薬を選ぶ手法を、中村祐輔・東京大教授らが開発した。四国がんセンター(松山市)など四国の5医療機関で実際の治療に応用して有効性を検証する。乳がん手術後の再発予防には、タモキシフェンとアロマターゼ阻害剤という2タイプの薬が使われる。従来の研究では、タモキシフェンを使う患者の20~30%が5年以内に再発し阻害剤より効果がやや劣る。

 研究チームは、タモキシフェンの効果に患者で差があることに着目。徳島県で1986~2007年に乳がん手術を受け、タモキシフェンだけを投与された282人を調べた。タモキシフェンは体内で分解され、がんに効く成分ができる。遺伝子の違いによって分解酵素の働きが弱い患者は働きが「正常」「やや弱い」患者に比べ、再発の危険性が2・2~9・5倍高かった。

 酵素の働きが弱いのは患者の2割。研究チームは「残りの8割にタモキシフェンを投与すれば、再発率が10%未満に抑えられ、阻害剤よりも効果が高い」と予測。タモキシフェンは後発医薬品が発売され、価格が阻害剤の10分の1程度のものもあり、この手法を使えば年間110億円を節約できると試算している。

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