iPS細胞:がん化抑制、成功 新遺伝子を使用--京大チーム

iPS細胞:がん化抑制、成功 新遺伝子を使用--京大チーム

京都大iPS細胞研究所(京都市)の中川誠人講師と山中伸弥教授らの研究グループは、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作る際、従来の「c-Myc」(シーミック)というがん遺伝子の代わりに、「親せき筋」に当たる別の遺伝子を使うとがんになりにくく、作成効率もアップすることを突き止めた。米科学アカデミー紀要に発表した。

 山中教授らは06年、c-Mycなど4遺伝子をマウスの体細胞に入れる方法でiPS細胞を初めて作成。c-Mycの導入は、生殖系細胞に分化する高品質なiPS細胞を生み出すメリットがある一方、がん化の危険性をはらんだ「もろ刃の剣」だった。

 そこで研究グループは、c-Mycよりもアミノ酸配列が短く、肺がん患者によく見られる遺伝子「L-Myc」に注目。代わりに加えると、がんはほとんどできなかった。

 また、iPS細胞が樹立される効率がマウスで約4倍、ヒトで約3倍となり、他の3遺伝子だけを使う方法と比べても、マウスの生殖系の細胞に分化した割合が約5倍も高かった。

 中川講師は「大きな壁だった腫瘍(しゅよう)形成の問題をおおむね乗り越えられた意義は大きい」と話している。

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