「高齢者のがん治療」

「高齢者のがん治療」

先日、歌手の桑田佳祐さんが食道がんを患っているということがニュースになったが、早期発見で初期段階での治療で済むという。だが、今の卓越した医学でも、がんは非常に難しい病気のひとつだ。

 ▼先日、肝臓がんにより79歳で亡くなった当地出身の、ジャパン・ウェルネス理事長で、日本赤十字看護大学客員教授の竹中文良さんの回想録「がんと向き合って ―医師として患者として―」に、そのことが切り込んで書かれている。

 ▼この回想録は生前本紙に寄せられ、現在連載中である。そこには筆者自身のがん、医師の立場としての患者のがんとの熾烈(しれつ)な闘いがつづられている。

 ▼竹中さんは20年間で5度目に当たる「がんの根治手術」を受けたという。「がんという病気が本質的に命の危険をはらむもの」なのに、患者になって感じる衝撃とか対応はその時の年齢によって違うというのである。

 ▼医師として、年齢に関係なく「がんの根治」に向かうのが医療の正しい道だと考えてきた。だが、自身のがんの体験から、80代、90代という高齢者のがんの治療について、手術という手段には課題があると考える。

 ▼根治を目指して、高齢患者に身体的に重い負担をかけることがいいのかどうか。難しい問題だと疑問を投げ掛けている。

 ▼竹中さんは、医師の立場からというより患者の立場からみて、生物的な解決より人間の尊厳について問題提起しているように思えるのである。 

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