癌(がん)のスクリーニング検査が増えるほど偽陽性の確率も増す

癌(がん)のスクリーニング検査が増えるほど偽陽性の確率も増す

癌(がん)スクリーニング検査を多く受けるほど、偽陽性(false‐positive)の結果が出る確率が高くなることが報告され、医学誌「Annals of Family Medicine」5/6月号に掲載された。当然と思われる結果かもしれないが、患者も医師もこの点を考慮していないことが多いという。「スクリーニングもその他の医療措置と同じように考え、リスクと利益について検討することが重要である」と、著者である米国立衛生研究所(NIH、ベセスダ)のJennifer Croswell博士は指摘している。

 今回の研究は、約7万人を対象とした「前立腺(Prostate)癌、肺(Lung)癌、大腸(Colorectal)癌、卵巣(Ovarian)癌(PLCO)スクリーニング試験」のデータをレビューしたもの。この試験では55~74歳の被験者を無作為に介入群と対照群に割り付け、介入群には、肺癌検診(標準的検査である胸部X線および非喫煙者は2年間、喫煙者は3年間の追跡)、大腸癌検診(標準的検査であるファイバースコープを用いた軟性S状結腸鏡検査および3~5年の追跡)、女性の卵巣癌検診(年1回の癌抗原CA‐125検査および経膣超音波検査)、男性の前立腺癌検診(年1回の直腸指診およびPSA [前立腺特異抗原]検査)を実施した。

 研究期間中に計14件の検査を受けた人では、少なくとも1件の偽陽性が出る累積リスクが男性で60.4%、女性で49%であった。偽陽性が出たことにより、侵襲性の高い診断処置を要する累積リスクは男性で約29%、女性で約22%であった。男性でのリスクが高い理由はわかっていないが、検査の内容が関係しているのではないかとCroswell氏は述べている。

 米国癌協会(ACS)のRobert Smith氏は「偽陽性にも偽陰性にも一定のリスクが考えられる。偽陽性の比率を積極的に減らそうとすると、癌の検出率も減らすことになる」と説明している。「多くの人は偽陽性を防ぐことよりも早期に癌を見つけることを優先的に考えている」とする一方、スクリーニングには利点と欠点があることをもっとよく説明する必要があると同氏は述べている。

 同じ号に掲載された別の研究では、ニュージーランド、オークランド大学の研究グループが、患者が犯す可能性のある医療に関わる過失の種類について調べた結果、患者による過失は大きく分けて行動面と精神面の2つに分かれることが判明。行動面の過失には、「予約時間に遅れる」、「薬の服用に関する指示を守らない」などがあり、精神面の過失には、「薬の飲み忘れ」、「医師の指示を理解できない」などがある。著者らは、今後の研究ではこのような過失の原因を突き止め、医師と患者がともにミスの減少に取り組む方法を見つける必要があると述べている。

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